【好きを仕事にリレー】望月商店とfavyに共通する日本酒を広めるためのコミュニケーション術とは
こんにちは!人事の高柳です。
favyが展開する会員制『29ON』では、肉と日本酒のペアリングを提唱しています。季節やイベントごとに、どんな日本酒を揃えるかもお店のこだわりの一つ。そこで重要なパートナーとなるのが、蔵元と飲食店を繋ぐ酒屋さんです。
今回は『29ON』でも人気の「新政」や「いづみ橋」などの銘柄を取り扱う「望月商店」の専務取締役・望月太郎様へ、日本酒市場を盛り上げるベく、どの様な取組をされているのかをお伺いして来ました。
日本酒は生き物だから、わかってくれてるところに届けたい。
ーー望月さんは、もともと『29ON』総支配人のサンチェス下田の紹介で、favyとのお付き合いが始まったんですよね。
(望月)下田さんが以前勤めていた関内の立ち飲み屋の頃からのお付き合いですよね。
(下田)自分がfavyに参画して、直営第一店舗『C by favy(現:flat)』をオープンするタイミングで、望月商店さんには「また一緒に面白いことしようよ!」って声をかけました。本格的に一緒に日本酒イベントをやらせていただいたり、酒蔵見学を案内していただくようになったのは『29ON』を始めてからですよね。肉と日本酒のお店として打ち出そうというタイミングで。今ではお店を運営していくには欠かせないパートナーです。
(望月)日本酒は生き物なので、わかってくれるお店に卸したいって気持ちも正直あって、販売チャネルを絞っている面があるんです。対面販売を基本としているので、インターネット販売もやってないし、取引先の新規開拓はほとんどが紹介経由で、その8割近くがリピーターになっていただいています。
(下田)その点は会員制の『29ON』も当に同じですね。リピーターとファンを増やすことをすごく大事にしていて、いかにまた来たいと思っていただくか、常に新鮮な驚きを提供できるかを意識しています。
(望月)うちも「この銘柄が欲しい」ではなく「望月さんがそう言うなら買ってみよう」と思っていただけるように、銘柄力ではなく酒屋力を高めることが大事だと考えています。
モノ売りではなくコト売りを実現するための“おしゃべり力”
ーーお二人の共通のこだわりが“おしゃべり”なんですよね。
(望月)そうですね笑。かっこよく言えば提案力というか。
たとえば厚木の当店に出荷調整せざるをない希少なお酒をお求めにきたお客様がいらっしゃったときに、ただお断りをする事ではそこで完了になってしまうので、僕たちはそうではなくこんな風に提案させて頂いたりもします。
「◯◯って日本酒、置いてますか?」
「扱いはあり、お出ししたいのは山々ですが、現在出荷調整をせざるをない状況でして…」
ここからが大事で、
「○○を何故お探しなのかを教えて頂けますか?」
「友人に美味しい日本酒があるよって勧められて、飲んだことがなかったので、試してみたいんです」
「そうなんですね!もちろん○○は非常においしいですが、似たようなテイストでこちらなんかもオススメですよ。それにもしかしたら何種類か試してからの方が、よりお客様のお好みにあった銘柄が見つかるかもしれませんよ。○○も含めいろいろ飲み比べをご希望であればお近くの飲食店さんもご紹介しましょうか?」
(下田)なるほど。正直うちでも銘柄指定で「これ欲しい」って言われると“おしゃべりスイッチ”入りますね笑。いかにその要望を超えた提案が出来るかが腕の見せ所なので。自分がよくやるのが、白ワインを注文されたら、グラスを2個持っていって、
「うちは肉と日本酒のペアリングを提案していますので、もしよろしければ白ワインだけでなく、こちらの日本酒も合わせてお試しいただけますか?騙されたと思って…」
って、日本酒も出しちゃいます。そこで、 こんな日本酒飲んだことない!って驚いてもらえたら、こっちのもの。この辺は飲み放題コースの良いところですね。『29ON』は会員制のビジネスモデルとしてもテスト店舗ですが、ペアリングという意味でもテスト店舗だと認識していて。常識を覆すような組合せや、他では飲めないようなチャレンジングな銘柄も、取り扱うことができるんです。
(望月)僕たちの取組は日本酒啓蒙活動だと思っていて。自社の売上を伸ばすことだけが目的ではなくて、日本酒の消費量を増やすことが最終的なミッションです。お酒の消費量のうち日本酒の占める割合は7%程と言われています。そこを取り合うのではなく、市場全体を拡大していく。そのために日本酒に関わる人を増やし、日本酒が好きな人を増やすことが必要だと考えています。
蔵元も酒屋も、飲食店もユーザーも、お客様ではなく全て対等なパートナー。だからリスペクトする。
ーー日本酒市場を活性化し、飲食業界全体を盛り上げていくことが共通の狙いなんですね。favyのバリューの一つである「すべてにリスペクトを(Give Respect)」を実践していますね。
(下田)そう。だから上流も下流も、大手もベンチャーも関わらず対等な関係であるべきだと思っています。対等だからこそ、しっかり対価に見合った結果を出すし、変に「買ってください」とか「お取引させてください」ってお願いしない。安売りもしない。
自分は接客が好きだし、お酒を楽しく飲んでいただくことが仕事です。お酒造りが好きな杜氏さんがいて、全国から美味しい日本酒を発掘するのが好きな望月さんのような酒屋さんがいて。自分が好きなことに没頭できるのは、この方々がいるからだということを常に意識しています。だからこそ、自分は全力で日本酒売りますよ、と。他では飲めないような変態な味わいでも、どんどん取扱しますよ、と。
(望月)結果を出すということが、一番の営業活動ですよね。先日も、当店で提案させて頂いた日本酒のラインナップと飲み方が特に回転率が良いので、来年から望月商店メインのお酒メニューにしたいという有難いお言葉をいただいて。こういう積み重ねが大切なんだと実感しました。
ーーだから実績が紹介に繋がるんですね。最近で印象的なリファラルからの繋がりって何かありましたか?
(下田)神奈川の「天青」の五十嵐さんはとても印象的ですね。立ち飲み屋をやってる時に望月さんに紹介してもらって以来10年以上の付き合いで。天青が旨味たっぷりで肉とよく合うんです。なので『29ON』を始めるときも当然取り扱うことにしました。綺麗な飲み口なのでコースの序盤でかなり活躍するんです!
(望月)天青さん!日本酒だけでなくビールやパン造りもやってて、レストランも運営してて、めちゃくちゃオシャレなんですよね。
(下田)で、この前『29ON』に食べに来ていただいて、今度コラボイベントやろうよって話で盛り上がりました!その話もまた次回詳しくできれば良いですね!
(望月)ですね!
ーー10年以上の付き合いとは驚きですね!望月太郎さん、ありがとうございました。最後に何かメッセージがありましたらお願いします!
(望月)当店は2018年2月にリニューアルオープンする予定です!外装も内装も全面一新し、より多くの方々に日本酒のこだわりと親しみを感じて頂けるような場所にしていきたいと考えていますので、ぜひお越し頂けると嬉しいです!
さらに、2019年には100周年を迎えます。さらにレベルアップ出来るよう、しっかり、しゃべり続けます(笑)
ーー望月太郎さん、ありがとうございました!
■望月商店(公式HP)
■直営店はこちら
アクセス:〒243-0014神奈川県厚木市旭町3-17-27
TEL:046-228-2567
営業時間:AM9:30~PM8:00(定休日)毎週水曜日
29ONでは、日本酒に特化したYouTubeチャンネルも運営しております。普段お店で提供している日本酒を中心に紹介する動画です。興味がある方は、ぜひご視聴ください。