「メディアと直営店を持つfavyでなければ実現出来なかった」飲食店向けMAツール開発までの舞台裏
2018年5月9日、favyは「飲食店のための顧客管理ツール(MAツール)」をスタートさせました。プロダクトオーナーである山口のリリースにかける思いをご紹介いたします。
1990年生まれ。2014年に香川大学を卒業後、新卒として株式会社マネタイズに入社。WEBマーケティング領域のコンサルタントとして活躍。現在は株式会社favyの新規事業開発全般の統括を行う。
どれだけ最先端な飲食店でも把握していない“見込客”を見える化させたい
ーーMAツールリリースおめでとうございます!いよいよ5月9日から、β版がスタートしましたね。
ありがとうございます。飲食店向けのMAツールは、高梨と新堀で事業アイデアをつくったものですが、様々な方々のおかげでβ版のリリースすることができました。本当にイメージしているツールの最終的なモノとしてはまだまだこれから開発していく機能も多いですが、ひとまずホッとしてます。
ーー「飲食店のための顧客管理ツール(MAツール)」が飲食店へ提供する価値とは何でしょう?
今回β版をリリースしたMAツールは“飲食店の負担業務の自動化”をコンセプトとし、自動で収集した顧客データを使って、手間をかけずに売上UPを実現できるツールを目指しています。
お店に興味を持ってくれている人(見込客)が何人いるのか、常連客が何人いるのか、などのユーザデータの取得・整理は全てMAツール上で行いますし、そのデータを元にした売上UPへの施策もMAツールが自動で考え飲食店へ提案します。例えば、あるお店の見込客が少ないということが分かった場合は、「見込客が少ないようです。来店客を増やすためにも見込客を増やすために○○を実施しましょう」というような感じです。
なんだか難しそうなツールのように聞こえますが、お店の方にやっていただくことは、基本的にはツールにログインしていただき、見込客や来店数の増減を確認していただくだけです。たまにツールからの提案に対して、実施するのかどうかお店の方に判断していただくこともあるかと思いますが、ワンクリック程度のアクションもしくは、ちょっとしたお店の情報を追加していただくだけで、集客施策などを実施できるツールにしていきたいと思っています。
忙しい飲食店の手間を増やすツールでは、受け入れられないことは今までたくさんの飲食店とコミュニケーションしてきて既に分かっていることなので、とにかく手間を掛けずに、売上に繋がる施策を自動で打てるツールを今後も開発していきます。
グルメメディアfavyのデータと、直営店でのノウハウを元に開発を進める
ーー食のマーケティング企業であるfavyが飲食店向けMAツールをリリースすることの意義とは何でしょう?
意義は大きく2つあると思っています。
まず1つ目は、月間4200万人が利用するグルメメディア「favy」に創業から約3年蓄積されたユーザのデータと連携することで、店舗への来店誘導・集客施策に活用できることです。
具体的な例で言うと、「A店」を紹介するfavy記事を読んだユーザというのは、「A店」にとってはとても確度の高い見込み顧客です。そういったユーザを逃さずにMAツールにデータを溜めておくことにより、来店誘導の施策に活用できるようになります。
将来的には、A店を利用したことのあるユーザ(Bさん)の顧客データとfavy記事の閲覧履歴や来店を紐付けることで、
「Bさんは肉好きである」
といった情報を自動で収集し、BさんにA店から再来店を促す連絡をする際に、
「美味しい◯◯牛の新メニューができました!ぜひ食べに来てください!」
という従来の顧客管理ツールでは分からなかった情報を元に、コミュニケーションできるようにしたいと考えています。
次に2つ目は、直営の飲食店を運営していることです。
ツールを実際に直営店で使ってもらい、自店スタッフからフィードバックをもらうことができます。
データやネット上の情報だけでは本当のユーザは見えてこないので、近くにリアルなユーザがいることは本当に意味のあるツールにする上で、なくてはならない存在です。
先日も実際に、普段から使ってみないと発見できないようなバグやシステム的な抜け漏れがあり、直営店からデプロイ後すぐにフィードバックがあったので、修正・改善をすぐ行うことができました。
お店だけでなく、本社メンバーにも過去に10年20年飲食店で働いていたメンバーは多数いるので、ターゲットユーザが近くにいて開発に集中できる環境は個人的にはめちゃくちゃやりやすいです。
ーー他のMAツールとの違いは何でしょうか?
IT業界だけでなく、様々な業界でMAツールは導入されていますが、飲食店へ特化したMAツールはfavyのツールが初なのではないでしょうか。
現在世の中にあるMAツールは、ITリテラシーがある程度ある前提で作られており、コストも初期費用が数十万円以上、ランニングコストも月々数万円かかるものがほとんどですので、一般的な飲食店への導入は難しいのが現状です。
favyが提供するMAツールでは、ITリテラシーは不要ですし、初期費用は無料、月額料金も基本的な機能なら無料で、今後追加していく機能を全て使ったとしても月々数千円程度の予定です。
ーーβ版リリースまでに乗り越えた課題を教えてください。
開発の流れは、画面設計→デザイン→コーディングとなっています。僕は画面設計を担当しているのですが、作ったワイヤーに対してエンジニアから「ここの数値はどこから引っ張ってくるの?」とか「これはちょっと開発的にはやりにくいから、変えられないか?」とかの要望や指摘を受けつつ、コミュニケーションをとりながら進めていきます。
今回のβ版で特に大きな議論になったのは、飲食店の方が見るレポート画面の「リーチ数」をどこの数値に紐付かせるか、という点でした。
飲食店のPR記事をメディアfavyに掲載した場合、favyは分散型メディアなので、Facebook・Twitterなどで記事をシェアします。それぞれのSNSで公開されている数値と、メディア(WEB・アプリ)での閲覧数をどのように整合性を持たせて集計するか、をチームメンバーで詰めました。
飲食店の方にとっては、細かい数値よりも「どれだけの人に見てもらえたか」の方が重要ですので。
β版では、予約管理・顧客管理・電話トラッキング・簡易レポートなどの機能は実装されていますが、本格的にサービスとして提供する際は、見込客の見える化や見込客・来店客へのメッセージ配信なども全て自動で出来るようにするつもりです。
一言で表すと「飲食店の方は何もしなくても集客と売上が伸びるツール」を目指しています!
β版リリースしたけど、エンジニアが足りません!
ーー最後に、今後の展望を教えてください!
全国に70万店あると言われている飲食店。その全てにfavyが提供するMAツールを導入していただき、毎日ログインしていただくのが僕の夢です。
まだβ版がリリースしたばかりで、まだまだメンバーが足りません。
特に、プロダクトの開発を牽引してくれるリードエンジニアを大募集しています!
まもなく創業3年目を迎えるfavyですが、まだまだスタートアップらしい環境で成長機会がたくさんあり、かなり楽しいと思います。世の中にインパクトを与えるモノをつくりたいという方に来ていただけると嬉しいです。お待ちしてます!